『僕らのごはんは明日で待ってる』 瀬尾まいこ 【あらすじ・感想】
あらすじ
主人公の葉山君はあることがきっかけで、本ばかり読み、周囲から浮いた生活を送っていた。しかし高校の同級生、上村と体育祭の競技米袋ジャンプを機に急接近し、付き合うことになる。
暗い葉山だが、あっけらかんとした上村に振り回されつつ、心を開いていく。
大学生になってもゆったりとした付き合いを続けている二人だったが・・・。
感想
個人的にとてもおすすめな本です。重いテーマを扱っているのに関わらず、爽やかで、笑えて、幸せな気持ちにさせてもらえます。
読んでいる間、とにかくこの二人のカップルのキャラクター、関係性が大好きだと思いました。マイナス思考で暗くて不器用な葉山。悪口のようになってしまいましたが(笑)、上村に振り回され、ぐるぐると考え込む様子がとても可愛く、愛おしく思えました。一方上村は明るくあっけらかんとしているようで、実は様々なものを抱えています。いつも突然な上村には、読者である私も振り回されっぱなしでした。一見対照的な二人ですが、突拍子もない言動をするという点は似ていると思います。
またタイトルに出てくるように、二人はよくファーストフードで「ごはん」をともにしていて、重要な事件も食事をしながら起こります。
決して完璧ではない二人に共感できる点も多いでしょう。中高生から大人まで幅広い年齢層の人が楽しめる本である思います。ハッピーになりたい人、明るい気持ちになりたい人はぜひ読んでみてください。