『吸涙鬼』 市川拓司 【あらすじ・感想】
あらすじ
涙をすって生きる吸涙鬼と人間の純愛ファンタジー。
主人公美紗は満月の夜、屋上庭園で意識を失ったところを不思議な同級生冬馬に助けられた。翌日に彼のコテージを訪ね、二十歳で死ぬ病気を患っていることを告白する。
とうとう身体が弱って病室にいた美紗のもとに冬馬がやってくる。彼は美紗の病気を治すというのだ。
美紗の病気は冬馬により治るが冬馬は・・・。
感想
小説全体から、綺麗で、はかなく幻想的な雰囲気が漂う。
どこかミステリアスな同級生冬馬に惹きつけられます。
完全なるファンタジーなのですが、読んでいるうちに、吸涙鬼は実際に存在しているのではないかと感じてしまいました。
何年たっても、美紗がずっと歳をとっても、二人はどこかでつながっているのだと思います。
ラストが切ないです。
ハッピーなものしか読みたくない気分だ、という方にはおすすめしませんが、泣きたい、切なさを感じたい、センチメンタルな気分だという方はぜひ読んでみてください。